北條エレナ
お局様。人を見下し、刺々しい言葉を吐く。孤高を身にまとい、自らが生んだ周囲の冷たさに反逆するかのように、彼女は常に厳しく、そして、強くあろうとした。
ん〜まぁ、彼女が彼をってのはなんとなく読めていたんで、それほどの衝撃はなかったんだが、それでもやっぱ、花丸のことを思うとなんだかやりきれない気持ちだった。
猫にはならない。傷ついたって、被害者面したって、彼女を手に入れられるわけではないのだから。このルートの花丸はすごくいいなぁと。
――セブンスピリット。あり得ない奇跡。でも、それを起こすのは自分自身。だからこそ、これは奇跡ではなく、運命なのだと。
ルナルートでのことだけど、この話も自分は凄い好き。今作の中で一番EDかもしれない。お互いに離れてしまった心。好きという想いはあるのに、お互いにすれ違うばかり。
そんなときに、彼女は――エレナはいた。不安げな瞳を抱いて、独りぼっちの世界をここでも感じて。だから、エレナが花丸に惹かれてしまうのも、花丸がエレナを好きになってしまうのも分かりやすい。
でも、ルナは英一郎を
「便利な相手」として見ていて決して好きではなかったはずなんだよね。それを狂わせたのは、彼女がギブアンドテイクを見失ってしまったからか。それとも、互いに影響し合える存在ではなかったからなのか。
鮎川ルナ
お兄ちゃん大好きっ娘。ずっと抱いていた想いを胸に隠して、一緒にいたいって思い続ける。そのためなら、少しぐらいの苦労はいいのだと。
甘いなぁ〜と思ったね。二人の雰囲気が。どっちつかずの関係が恋人って明白なものになったらこんな感じになるのかなぁ〜とも。まぁ、悪くはないんだけど、インパクトが薄い。結果はこうなってくれたらな、が見事実現するし いいのはいいんだ。彼女の苦しみも、花丸の苦しみもすごく伝わってくるし。
ついでに言うと、風丸と樹里は別れちゃうんだよね。永遠を求めた彼と、それを嫌がった彼女。ずっと一緒にいたい、それを願ってはどうしてはいけないのか。
花丸たちの成就の一方で、別離が生まれている。幸せってなんなんだ。
――あの苦い季節、幸せな季節。それを織り交ぜたEDだった。
浮気から始まる恋。うん、いいんじゃないかなぁ。すごくありがちな気がする、リアルにね。だからこそ、エレナの動向も、花丸の言動もすんなり入ってくる。好きなのはあなただけ、でも、生理的欲求が、彼女を求めてしまった。言い訳にしかならない情事。人を傷つけ、傷ついて。それでも、一人では生きていけないのだと。ずっとなんて、無理なんじゃないかと、そんな風に描かれていたのが印象的だった。
一つを許して、永遠を得るか、それとも、完全を求めて永遠失うか。どちらが正しいのかなんて、きっと誰もわかりやしない。
まとめ
心理テストでルート確定。人間関係は変わらないが、環境の変化が生じる。ちょっとしたifってとこかな。でも、そのほんの少しの違いが、すごく大きな分岐点となっている。一つの選択が、一つに影響するわけではない。過去は未来に、現在は未来に。すべては自分へと向かってきている。
花丸くん、結構好きです。エロくて、軽く振る舞っていて。でも、その底辺は重い。誰かに必要と、頼りにされていないと駄目だって思うのは彼が、風丸をずっと支えて、支えられてきたから何じゃないかなぁと。彼の性格の良さ、雰囲気の良さ、それがこの作品の全てだったと私は思う。