『Lien~おわらない
きみのうた~』





制作:Purple
発売:2000年
プレイ:2005年
主人公「志郎」が死んで、
幽霊として復活したところで物語が始まる
あまりにもあっさりと志郎を受け入れるクラスメイト
そして、受け入れられない人……
「別れは悲しい」
それを真っ正面から扱った作品




*ネタバレあり






鷹取 晶

 彼女が主人公に好意を持っていることは明らかだったし、あのお弁当も見え見え。でも、その二人のやりとりが面白いので許す。てか、晶可愛すぎるよっ!!

 あの笑顔は詐欺だなと思いますよ。あんな風に笑われたら、泣き言は言えないしさ。

「なんで死んだんだよ!」
この一言が彼女が漏らした泣き言で
「行かないで」
が志朗への甘えと愛情の言葉でした。

 ここまで自分の弱さを見せないヒロインは初めてでした。強がりと本人は言っていますが、私はそうではないと思います。あの笑顔が彼女の全てで、精一杯の愛情表現。それがあの場面できるって事は 、本当に自分を持っていて志朗を考えているからこそだと思うわけです。



楠 若菜
 
 彼女のために志朗はこの世界に留まったということは、晶シナリオで明らかだったんで、どのように扱うかということに興味がありました。結果は、けっこう痛い。青葉という存在のおかげで志朗が見えるようになるんですが、この子がむっちゃくちゃ痛い。なんでだよと志朗と一緒にさけんじゃいましたし。

 正直、この手のタイプは苦手、というより好きじゃないんで、やってて萌えないんです。でも、強くなろうと足掻く彼女には好感が持てました。

 疑問点として、青葉はどうして志朗を知らないんだよ!とかある訳なんですが・・・・・・。それに目をつぶってもいいぐらい、心にくるものがありました。
 ツッコミをひたすら練習して、志郎のお世話係になった彼女。ただのギャグでしてるのかと思いきや……泣くしかないって。ホント、思い出しても泣けてくる。



笹木 みなも

 おまけキャラ的なシナリオになっていて、完成度としてはちと見劣りする気がする。ちょっと都合よすぎだろうってところが何個もあるし。でも、彼女はいいヤツ。脇としての役割が大きい。
 
 ただ……重い。どうしてあのシーンが必要なのかと思ったり。母親との関係とか、「早苗」の存在とか。いろいろ問題があるから飽きはしないんだけど、まとまりきっていない気もする。



近衛 柚

 人形の持ち主&変態さん(笑
 彼女がさも当然のように話すので、私も志朗と同じようにだまされてしまいましたよ。だって、まさかあれが本当だなんて思ってもみなかったし。というか、彼女の姿を見ていると、想像できなかった。

 確かにそうだな。と頷きざるえないストーリー。EDが一番幸せそうって言うのは、柚さんへのご褒美でいいのかな。彼女だけ、他のヒロインと一線を引いた感じになっているのは、
――みんなから忘れられてしまう
 という、柚の悲しさが関係しているのだろうか。




まとめ
 ヒロインと絡まない日常会話は、全く同じで飽きがくる。構成がイマイチ。泣ける場面の次とかに日常をすぐに持ってこられると、でてきそうなものも引っ込んでしまう。
 また、個別に入ってしまうと他のキャラとの絡みが無いに等しい。選択で他のが出てくるんだけど、時間つぶしみたいな感じ。

 とまあ、悪い点はおいといて。それをはるかにしのぐいい点が盛りだくさん。
まず、死を絶対にして安易にハッピーに持ってこない。次に、キャラ個別の方向が違って面白い。晶はきっかけであり、若菜は感謝と謝罪、柚は人の皮肉さ。みなもは何なのかわからないが(苦笑
 主人公も好感が持てるし、かっこいい。志郎はいつだって、北倉志郎であり続けた。そして、そうあり続けるのだろう。

 ヒロインも志郎も、もちろん良いんだけど、それよりもすごいのが父!!
 最高だよ、父さん!






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