『DiaboLiQuE−デアボリカ−』





制作:AliceSoft
発売:1998/5/28
プレイ:2005年
ストーリー概要

殺戮 怠惰 殺戮 怠惰 殺戮 怠惰。
どう足掻こうが、それがお前だ。
アズライト

不老不死、最強最悪。 世絶対支配階級者、デアボリカ。
その中で自ら記憶を落とし、人の為に生きる最強の闇アズライト。
人間からも、デアボリカからも虐げられるアズライトに安息の地はあるのか?





*ちょいネタバレあり。






 はっきり言ってこのゲーム、ゲームとしての存在価値は皆無と言っていいと思います。戦闘まがいなのはあるけれども、あれは言葉だけで、なんらリアリティーもないんですよ。選択させるだけさせといて、結果って変わらないし、台詞も違わないし、戦闘がある意味がよく分からない。しかも、どんだけやったって、一回間違えれば即ゲームオーバーですからね。

 さらに、EDは確か3個だけ。ええ、どれもレティシアとアズライトの物語だけですよ。エロはCGだけですし、テキストはあったんでしょうか?期待してたらかなり痛いですね、アリスの昔と今の違いを垣間見た瞬間でした。

 シナリオは、え〜泣けるっちゃあ泣けるんですよ。このゲームってきっと、レティシアに萌えるって言うか、同情というか、気持ちが動いてしまった時点で負けなんですよ。それからずっと彼女との別離と、再会が繰り返されるわけですから。
 だから、ズバリ言いますと、最初の物語がよかったから評価されると思うんですよ。あそこで普通にやってれば、何だよこいつら、レティシアが可愛そうじゃないかって思うのではないかと。だから、あんな、ええ、冷静に見ればダラダラとした同じ事の繰り返しでも、出来てしまうんですよ。
 だって、レティシアに幸せになって欲しいじゃないですか。
 ただ、それだけが主題であったことがこのゲームの勝因であるんじゃないかと。下手にアリアを攻略できたりしちゃうと魅力半減ですからね。正直、アリアの方が好みだったりします。


 え〜アズライトも嫌いじゃないんですけど、好きにはなれないなぁ。彼って守りたいモノが多すぎるんですよ。あれも、これも、大切だから、ずっと側に置いておきたい。そりゃあ、デアボリカなので出来ないこともないかもしれない。でも、それ故出来ないこともあると思うんですよ。まぁ、彼が彼女への愛を貫いたのはいいですけどね。

 EDなんですが、アレでいいんですけど、はっきりと自分の存在を否定してる気もしなくはない。 だって、彼がレティシアと逢えたのは何故ですか? 愛せたのは何故ですか?デアポリカだけに認める行き来も意味があるのか、どうか……。彼は彼という存在が異端であり、不気味で、不吉であると言うことを認めてるんですよ。まぁ、彼がそれでいいのなら、いいんでしょうが。


え〜総合的に見ると普通でしたね。確かに泣けることは泣ける。だけど、それって予定された泣きで安定した泣きなんですよ。こうやれば絶対泣けるなって考えてセッティングされたモノなんですよ。
 泣かすって事を考えてるのはどんな作品でも分かる。でも、それをいかに見せずに、計らずに感じさせるのが一番いいのではないだろうか。
 しかし、ここまで純、というか一つの恋だけに焦点を当てた姿は見事。こういう系統のゲームが増えてくれないものだろうか。





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