葉月 みりあ
みりあEDは……私的にはない。バットエンド専用として存在してくれた方が良かったよ……。このシナリオが、この作品の価値を下げているようにも思える。
何故主人公が彼女に好意を抱いたのか分からないし、その反対も不明。それを気にしないとしても、あの屋上での相談シーンで終わっている方がいいように思う。
確かに、
彼の痛みを表面的に理解できるのは彼女だけだろう。しかし、完璧に理解できるわけではない。互いが思うことは相互関係が成り立たず、部分共有を少しばかりしてるだけ。
教師であるならば彼女は何故、その痛みが無意味に終わることを教えようとしないのだ。人生は楽しく、素晴らし事ばかりではない。しかし、それは受け取り方だ。彼女によってそれを示すべきであり、安易に簡単に終わらせのはちょっと…。
まぁ、2人が幸せそうだし、主人公も目標を見付けたし。なんら問題ないって言えば、ないんだけどね。
朝凪 鈴子
鈴がトラウマを乗り越えようと、幸せを掴もうとするのは良いんだけど…。内容的には嫌いじゃないんだけど、ちょっと気になるシーンがある。
犬に対して歩み寄る鈴、という場面。主人公は、あの犬が死ぬ、と言うことを知っておきながら何も手だてをしないそして、鈴は何故か傘をかけるなんて、優しさを見せつける。二人ともその後は、全く犬のことを思い出そうとせずに。
鈴が進んだのは分かった。しかし、主人公の接し方はどうなのだ。あれこそ正に、現代人の言い訳、ではあるまいか。彼は、いや彼らは温かさがどれだけ尊いものか認識したばかりだ。それを、いとも簡単に覆すとは……。
幸せの影には不幸がある、そう言いたいのかもしれない。しかし、それを起こしたのは誰だ?それを防ごうとしなかったのは誰だ?飼えないにしろ、他に手だてはあるのではないだろうか。二人さえよければいい、そんな結末にも思えてしまうのだが
霧島 水帆
よくよく考えてみると、そんなに悪くないネタの水帆。しかし、このライターの書き方か、演出の悪さか、上手く伝わってこない。
まず第一にあげられるのが、
水帆というキャラの魅力の無さだろう。短くしすぎたあまり、彼女の魅力も削ってしまっている。そして、安直な言葉と行動。読んで読んで読んで、裏まで想像しなくちゃスッキリ出来ない。説明らしきことはしてくれてるのだが、いかせん不足気味。
そして、不満を抱いたのは彼女の言葉。
友を失い、しかし、求める
その割には、自分という者、友人を信じていない。彼女は絵を描く彼女が、彼女である、と認識していながらも明かさない。
しかし、それを友人に知られ戸惑われたら逃げるのだ。相手にとったらたまったものではない。一回のミスも許されないのだ。そのくせ、友人が欲しいのだとほざく。
向き合うことをしないで、欲しい?
笑わせるな、お前は自分自身が偽りしか見せてないのに裏切られた気取りかよ。
主人公に頑張って欲しい。前を向いて、歩いて欲しい。その気持ちは分かるし、そう言いたいのも伝わってくる。だけど、表現の仕方が悪い。ホント、もったいない。
河原崎 春
春は本当に勿体ない。キャラとして、関係としてなずなと並ぶほどの魅力がある。いや、
私的には超えていた。やろうと思ったのも、春がいたからだし。
なのに……シナリオが全てを台無しにしてくれた。話の流れも自然だし、春も可愛いからいいんだけど、水帆とほぼ一緒ってどうなのよ?!
脇としての方が目立ってるじゃんかよ…
彼と本当の意味で戦った春
バスケの彼の常に側にいた春
どうしてそれを掘り下げない?どうして他キャラと絡めない?
あの1on1の場面は好きだ。出会いも彼女らしい。エピローグも不満はない。
だけど、駄目なのだ。彼女の魅力を半分も引き出せていない。残念の一言に尽きる。
柳 雪乃
双子かなとも思っていたんだが、やはり二重人格でしたか。この場合、どちらかは必ず消滅しないといけない。
それを、きちんと主人公の痛みも、2人の痛みも描かれていたことに好感が持てた。ここまでストレートに書くとは思っていなかったので、すごく驚いた。どこかで、IFを想像していた自分が恥ずかしい。
――言葉は魔法
これはそのために用意されたようなもの。真のヒロインは、やっぱり彼女だろう。
日向 なずな
ありがちで、実に判りやすいが、このストーリーが一番主人公のかっこよさを表しているように思う。初めから懐いていたわけではないから、義理だからこそ、色んなことがあったわけで。
なずなの魅力は、一体何なのだろう。一途に主人公を思う気持ちか、寂しさに耐える心か。彼女はキャラとして一番だと思う。
だから、
シナリオにも熱が入っている気がする(笑
内容はまぁ、冷静に見れば無理がある所もあるし、主人公が一人で解決しちゃうんであんま面白みはない。でも、それを補うのが彼女の魅力だろう。
そして、主人公の兄と男の間で揺れる思い。これら二つが絡み合って上手く、欠点を補ってる。自然と主人公に同調できる設定を持ってきたのが勝因だろうか。
一旦はまってしまえば、分かりやすくテンポ良く進んでいくから、所々のイマイチさはどうでもよくなる。